08’ 春・京都 『美山荘』 其の参 [宿]
UP が遅くなって申し訳ありません.
美山荘の夕膳を頑張って記したのですが,保存しないで長時間経過したら保存できずエラーを起こして記事がすべてなくなってしまいました・・・(ToT)
唖然,呆然状態で立ち直れずでちょっとやる気が失せてしまいました.
でもやる気復活!!! で頑張ります?!
夕膳は母屋で
美山荘さんは2004 年 5 月に食事処を 数寄屋造りの名工 中村外二工務店さんによって
素敵なカウンタースペースにし,名栗の間として使用しておられます.
なのでそこにとおされるものとばかり思っていたら・・・
母屋の一室にとおされました.
まずはどのようなお部屋なのか美山荘のHP お部屋のご案内を見てください.
そして母屋のお部屋をひらいておいてください.
http://miyamasou.jp/fla/index.html
母屋にいくつか襖ありますね?
これは春夏秋冬が描かれています.
そのいちばん手前の春の画が描かれているお部屋で夕膳を食しました.
(奥 2 つのお部屋は 1 組のご夫婦が使用されているので行くことはできません)
春の画の襖
タンポポにつくしなど春の草花が描かれています.
そしてこの襖のとってもとても洒落ています.
そしてこのお部屋にももちろんお花が飾られています.
お花に掛け軸,ともに石楠花(宿泊しているお部屋)同様,季節を少し先どりして飾られていますね.
そしてこのお部屋はこのほかにも見所がいくつかあるのです.
そのひとつが床脇の棚にかかれたもの
なにか書かれているのが見えますか?
『洛北花背 美山荘襖絵 描く 東大寺別当 清水公照師 来合せられ 興到って是も ?襖絵八面と 染筆稀有早也』
昭和五十三年 秋 花竹庵
Horikyo が読める範囲はこんなところです.
よって襖は 東大寺別当 清水公照先生 の画ということだなと.
ちなみにこのスミレもこの隣に描かれたスズメもそうなのでしょう.
そしてこの右下にはこんな風神さまのようなカワイイ画もあるんです.
これがいちばん気になる画で書です.これも清水公照先生のですね.サインがそうだと・・・
書は 『山花開以錦 澗水湛如藍』
山花(さんか)開いて錦に似たり 澗水(かんすい)湛(たた)えて藍の如し(碧巌録八二則)
春の禅語でお茶の席の掛け軸などで使われたりするようですね.
大龍智洪禅師の言葉だそうです.
お弟子さんに 「色身は敗壊す,如何なるか是堅固法身」と問われて応えた言葉だそうです.
「私たちの肉体はいずれ土に埋められ,跡形もなくなってしまう.それならば永遠不変・不生不滅といわれている堅固法身はどうなるのでしょうか」
「山々の花は開いてもたちまち散り,谷川の水は湛えているようでも不断に流れている.この生滅のなかに不生不滅なものがあり,刹那のなかに永遠なものがある」
奥が深いです・・・
母屋は雪見障子です.
冬の美山荘もきっと趣があって素敵なんだろうなぁ・・・と思うのでした.
ただ雪見障子は障子を貼るのがたいへんなんですよ・・・(Horikyo's house にもあって貼るので)
離れも母屋もみどころ満載なんです.
普通にあるから普通に見過ごしてしまいがちですけど茶の湯の心がところどころにあります.
それでは夕膳のはじまりです.
八 寸
春は摘草かごで出されます.
かごの横のお酒は美味しすぎて控えて飲んでおりました.
この錫(すず)の酒器とあけび茶の黄銅瓶は 清課堂さん のです.
あのお茶の黄銅瓶欲しいんですよ,買おうか迷っているところです.
赤いお椀から時計まわりで
ふきのとうの白和え,のびるのぬた,蛤,
春子(天魚(あまご)の子:若女将の佐知子さんいわく「春子です」とお茶目なことをおっしゃいました)
川エビ,白アスパラ,卵黄の味噌漬け,空豆の団子,胡桃の松風焼き
とちもちのこんにゃく(ど真ん中)
汁と向付
茶の湯がベースなのでお箸が濡れています.
岩魚(イワナ)のお刺身と皮をのびるのすりおろしと赤カブの新芽で
蓬(よもぎ)麩のからしのせ白味噌仕立て
桜のお椀で
焼き物
筍(たけのこ)の塩釜焼き(木の芽酢で)
京都の南で採れた筍です.ホクホクでサクッとしてこれまた春の美味
温 物
猪肉の三枚肉とえび芋煮
このイノシシはドングリなどの山の木の実を食べているので臭みがないそうです.
人里で人間のものを食べたイノシシは臭みがあるそうです.
そして冬に出される猪鍋はこれまた美味だそう・・・気になる
揚げ物
山菜の天麩羅:ふきのとう,たらの芽,タンポポの葉,ぜんまい,あぶらの葉,いたずり(新芽)
お凌ぎ
お料理の中間を示すお凌ぎの蒸し寿司です.
岩魚(イワナ)の卵,白魚,しいたけ,つくし,ぜんまい がのっています.
汁物(椀)
料理人の腕のみせどころです.
ぐじ(甘鯛),桜餅,うど(しらがうど?)
春の香りが漂う椀です.
焼き物
天魚(あまご)と葉ワサビの酢漬け (口直し)
「春子のお母さんですね」というと「そうです」と笑顔でおっしゃった佐知子さんです.
炊き合わせ
鰻(うなぎ),筍(たけのこ),ふき,わらび,ぜんまい
ご飯&香の物
せりのご飯です.最後に混ぜ合わせるとのこと,これはいいとアイデアをいただきです.
お家でもせりがあればできます.あっさりしてて食べやすいご飯です.
お漬物はその家々で味がありますよね.
美山荘さんのはしょっぱいとかというのではないのですが,土地柄,家柄が反映されていると感じます.
しば漬けはちょっといままで食べたことのない感じです.
水 物
この器をみて,ウインザーの最後のデザート を思い出しました.
そう白桃と薔薇のジャムののっていた器と同じ.
これは イチゴ&マスカルポーネアイス
いっしょに食べないとダメなんだなこれが・・・
ということでこれで終了.
Horikyo 完 食 です!
本当に 春という季節を楽しむ感謝することのできる夕膳 でした.
美山荘の夕膳は本当に素晴らしいです.
いままで食べたなかでもいちばんです.
食事はもちろんですが,空間・時間という間も相まってその趣と頃合いが絶妙なんです.
食事は一品ずつ運ばれてくるたびに一礼をして説明をしてくださいますし・・・
それに Horikyo たちの話にも温和に受け答えしてくれる.雰囲気が和むんです.
こういう時間いいです!
でもこれを日帰りするには惜しいですから最低でも 1 泊はしてください.
次回は朝の美山荘から京都の街へ
と書いたあとでお風呂に入って寝たことを忘れてしまってはいけませんでしたね・・・
す、すごい! 何がってまずはhkさんがこれ完食したってことが、です。
興味ある料理が続きますね。竹の子の塩釜焼きって初めて見ました。
アマゴの焼き物の上に乗ってるのは何でしょう。
岩魚のお刺身も、卵料理も初めて。 おもしろいねぇ~
生麩大好きなので 汁物に ごっくん♪です。
お料理も素敵だけど、建物もとっても素敵ですねぇ。
他のお部屋も全部見たけど、それぞれ趣が異なって、それぞれで
味わいたいって思ってしまいますね。
by バニラ (2008-05-06 18:05)
バニラさん,超ご多忙なのにたくさんのniceにコメントをありがとうございます.バニラさんの記事がUPされて胸をなでおろし,Horikyoのblogにまできてくださりとーっても∞嬉しいです.バニラさん,元気なのかしら・・・と心配だったので.
完食は相方も驚いてました.若女将の佐知子さんにもなかひがしでもウインザーでも残して謝ったという話をしたら「そんなに量はかわらないんですよ」といわれたのです.思うに山菜や野菜系が多かったからよかったのかもしれません.天魚の上は山椒の葉だったと思います.
景色も建物も人も素敵で全部網羅したくなります.
美山荘その四も楽しみにしていてください.集大成を記します?!
by hk (2008-05-07 22:35)