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京都07' 『草喰 なかひがし』 後編 [レストラン]

お料理も半ばまできたとの合図の時点でもういっぱい・・・
とはいえ,我ながらピッチが速かったように思います.お腹を空かせた子供の大人版です.
それにしても芯から暖まる温まる料理の数々はおいしいからこそ進むのだと思います.
食が進む進む

なにやら中東さんの動きが機敏です.
「すぐに食べてください.〇〇ですので」 
〇〇のなかの本当の言葉は K ちゃんなら入れられると思う.
Horikyo の頭にはうまく表現した K ちゃんの言葉がインプットされている・・・
「お米のアルデンテ」

そうこれはお米がご飯に変わるときの貴重なお米・ご飯
水っぽくもなくかといってご飯になりきれないだからあの表現なんですね.

温物
 
とりすきです.右の写真の場所で調理されます.この隣に炭火の網焼き場があります.          
中東さんが 1 月26日から飼いはじめた鶏さんだそうです.
こんなにもう食べられない状態です・・・あまりにお箸がすすまない状況に
「ゆっくり休んでからでいいから」 くらいに中東さんにいわれる始末.
まわりの方々も 「お腹がもういっぱい!」 っていっている割には食べてて
ウソをいうなー
! といいたくなる Horikyo です.まさにとりすきとにらめっこ状態です.
でも心のなかは食べたいのです.少し時間が経過(かなりかも・・・)
おそるおそるお箸を出して食べたら本当にこれも下処理がしっかりしていて鶏まるまるの臓物入りとりすき・・・
これを完食した人には

とりすきご飯が待っています.K ちゃんのとりすきご飯・・・
でも Horikyo は全部食べていないのでテーブルの奥にとりすき鎮座.
すると鹿のお肉が・・・

とりすきを食べていないのに食べました.
鹿のお肉はミディアム状態だったのですが,お願いしてウェルダンに.
お腹がいっぱいのときにお肉のミディアムを食べるとヤバイ Horikyo です.
鹿肉は信州でも食べるのですがこちらのほうが鮮度がよろしいことで,やわらかーい.

和え物

野草の白和えです.
これは口のなかをあっさりさっぱりさせてくれました.
この後,様子からとりすきは撤収されました・・・2/3 は頑張ったんだけど
「本当にすみません・・・」 ひたすら謝るだけ.そして鶏さん,本当にごめんなさい!と.

そしていよいよです.
なかひがしさんと聞いて おくどさん という言葉を聞かない人はいないと思います.
陶器の羽釜を使っておくどさん(かまど)で炊いたご飯です.
ご飯・香の物
 
ご飯は超小盛りにしてくださいました.
これしかないから貴重なご飯は水分加減がよろくてホッホッしてます.
関西なのに納豆が出てきて驚きましたが,ここまでたどり着けず無念極まりない・・・
ここで食べたのはご飯とめざしとお漬物です.
K ちゃんが煮物おいしいよーというのですがギブです・・・

でもフランス産のご飯は食べます.
中東さんの定番オヤジギャグです.おごげはパリパリということで・・・
中東さん,こういう方のようですね.
ご飯はもちろんみなさんのおっしゃるとおりで納得です.
甘味のあるやさしいんだけどしっかりしたご飯だなぁと.

水物

りんごのコンポートと干し柿だったよねぇ・・・
そしてあの独特な香り・・・一保堂茶舗のいり番茶=京番茶
関東では受け入れられないけどここでなら受け入れられるから不思議なお茶です.
これで終わりかと思いきや

なんちゃってコーヒーと黒砂糖の金平糖とゴマ入り蘇(日本古来のチーズ)
これで終了です.

きらびやかさはないけれど心が本当にこもっているエネルギーあるお料理です.
丁寧に下ごしらえされた食材はそのひとつひとつが存在感を現しつつ融合しています.
そしてそれぞれに命があったんだ・・・そんな感謝の気持ちにさせられてるのに残すとは
だからこそ罪悪感にかられるのがいつも以上なんですね.
そしてなによりお店の格式高い雰囲気がなく和やかでこざっぱりしてキレイなのがいいです.
キレイなお台所は気持ちのよいものです.お弟子さんは多いかも・・・
そのおくどさんの上にはめざしと稲穂とその年の干支の文字が記されたお飾りが飾られています.
豊穣・豊漁などの作物の豊かさを願い感謝を現すもののようです.そういう心は大事です.
本当にいつまでこのような食材が食べられるのかとおいしいものを食べるたびに考えてしまうこの頃です.

懐石というのは茶の湯の席でお客様をおもてなすためのお料理がはじまりと読んだことがあります.
その茶の湯の世界がその時々に合わせて進化を成し遂げているような気がします.
それが京都の日本料理にはある,そんな気がします.
そこには京都の文化を大事する心,季節を大事にする心,人を大事にする心,すべては感謝する心があるのだと.
そして中東さんが銀閣寺エリアにお店をかまえたのは必然で当然だったのかなぁと思うのです.
なぜならば東山文化の発祥,つまりは茶の湯の発祥は銀閣寺を建立した足利政義なのですから.

話を戻して・・・
帰り際に中東さんの奥様がお会計をされているのですが,今回のいきさつを話したら憶えてくださいました.
たとえ嘘でもそういっていただけるのは嬉しいものです.
またお店から帰るときもご夫婦で頭を深々と下げてお見送りをしてくださった中東さんご夫妻です.

おもてなしの心とは
誠心誠意精一杯尽くして振る舞うこと 
なのでしょう.
それが心を豊かにしてくれて心地よいと感じるからこそ また行きたい と思うのは当然だと思います.
勝手な思い込みですが,中東さんは 「おいしかったです」 というその単純な一言と笑顔を見たいんじゃないか・・・
そんな気がするんです.

Horikyo ももちろんまたお会いしたいです.

次はなかひがしさんとはまたちがう懐石料理を紹介します.
今度は少し華やかさが加わります.


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バニラ

感服しました。 記事を拝見しているだけで もてなしの温かさを
気持ちよく感じることができます。 
もう一度、いえ二度三度とまるで家に帰るように訪ねてみたいお店ですね。
by バニラ (2008-01-14 22:25) 

hk

バニラさん,ありがとうございます.
京都でなかなか予約がとれないというお店はそれなりのよさがあるんですね.京都の魅力にハマりそうです.東京にないよさがあります.

今日はアド街で神楽坂を放送していました.
月曜日からの神楽坂が恐ろしいです.
お気に入りのお蕎麦屋さんも出てしまうし・・・
山さきさんが出なかったのが救いかも?
by hk (2008-01-19 23:32) 

バニラ

あ~、それも見逃してたのですよねぇ。
もともとTVを観ないほうなので、TV欄チェックが遅れ気づいたときには
時すでに遅しでした。 う~ん、残念!
by バニラ (2008-01-21 06:25) 

hk

そういうときあるある!!!
でもいまはネットで見ることができるから見逃しても大丈夫!
今日も電車のなかで女性が神楽坂の話をしていていました.
その神楽坂でプラットホームを歩いていたら大きな男の人・・・
目の前に阿藤海さんがいて驚きました.大きい人だ!
TV効果でいうなら休みの成田山もすごかった・・・なぜ?と思ったら
親いわく,地井散歩でやったのだと・・・納得です.
TVはやっぱり効果絶大で怖いです.
by hk (2008-01-21 21:10) 

バニラ

ありがとう! 調べたらちゃんとネットで見られるんですねぇ。
これからじっくり見てきます。
by バニラ (2008-01-23 19:55) 

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